Saturday, January 17, 2009

環境マネジメントの新しい動き

 私は、今インドネシアとベトナムで省エネ関連の技術協力プロジェクトに関わっています。そのなかで、特徴的な動きがあります。それは国際化と標準化がキーワードになっていることです。たとえば企業の環境マネジメントの国際規格として、ISO14001が1996年から制定され、2004年に改訂が行われていますが、その後マネジメントシステム以外の環境分野の国際規格が次々と制定・準備されています。

一例を挙げると、
 1.環境マネジメントシステムの段階的実施(ISO14005の予定)
 2.エコデザインのためのマネジメントシステム(ISO14006の予定。規格化の作業開始段階)
 3.エコエフィシェンシー(ISO14045の予定。作業開始段階)
 4.ライフサイクルコスティング(規格番号未定 )
 5.マテリアルフローコスト会計(ISO14051の予定)
 6.温室効果ガスの排出・吸収の定量化など(ISO14064で発効済)
 7.カーボンフットプリント(規格番号未定)
 8.エネルギーマネジメントシステム(ISO50001、2010年に発効予定)
 9.砂漠化マネジメントシステム(規格番号未定)

 といったところでしょうか。

 この2年間で、急激に国際化・規格化が進んでいるのは、わが国の産業界にとってもチャンスだと思います。気候変動の議論のなかで排出権取引が行えるようになり、温暖化ガスの排出を客観的に測定する方法に意味を持つようになってきたためです。

 これまで日本は独自の方法・アプローチである意味職人的なやり方で、省エネチャンピオンになってきたのですが、これらの技術を、移転可能な形で体系化することによって、環境技術を知的な資産として輸出していくことも可能になると思います。ISOの動きは米国主導ですが、ノウハウについては日本が負けない技術を持っているのですから、マネジメント手法の導入が進めば、日本の技術を戦略商品化することも可能だと思うのです。

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