我々が従事する仕事のほとんどが(業種が異なるにしても)小規模な集団活動(小グループによる活動)によって実施されている。営業など比較的個人プレーの側面が多い業種でも、実際には受注〜契約〜発送〜入金確認〜商品企画や生産現場へのフィードバックなど、個人で行う業務と思われていても組織的に活動しているケースが多いのではないだろうか。
ファシリテーション(facilitation)は、中立的な立場から支援を行うこと、またはそのための技術であると考えられている。また、グループ活動が円滑に行われるように、中立的な立場から支援すること、またはそのための技術のことをさす。facilitationの語幹であるfacilという語は、(物事を)容易にする、円滑にする、促進することを意味して用いられることが多い。そのため我が国では特に、ファシリテーション・スキルを、会議の促進技法として理解されている場合が多いのではないだろうか。そのため、「会議が円滑に運営されるよう進行を行うこと、働きかけること」と言う意味で使われる場合が多い。しかし、ファシリテーションが意味するところは、この会議促進の例よりも広く、むしろ「ビジネス・ファシリテーション」とか「プロジェクト・ファシリテーション」のように、グループによって行われている業務の目標達成のための、問題解決、合意形成、あるいは目標に達するために必要となる、グループによる創造・変革・学習プロセスを支援・促進することと考えるべきであろう。会議は、上にあげたような創造・変革・学習プロセスを集団で実現するための「場」として、実施されるのであって、会議ファシリテーションはそのプロセスを支援する技術の一つにすぎない。
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